[102]同じ病室だったのおばさん。 / 豆ぱん子

昨年、あたしは骨盤脳腫(のうしゅ)で旭川医大に入院し、そのあと子宮剄がんを宣告され、治療を受けました。
その時、同じ病室に、61歳のおばさんがいました。
そのおばさんは、口の中にガンができるいわゆる、『口腔がん』でした。
あるときおばさんが小さいカップラーメンを買ってきました。
病院食がほしくない患者さんには、自分が食べたいものを食べていいと、
あたしも言われたことがあったからです。
おばさんは、病院食をほどほどに、
ラーメンにお湯を入れ、食べ始めました。そのとき、満面の笑みで、
「美味しい・・・・!!」と言ったんです。
あたしガンの宣告を受けて、1週間ほどのことでした。
あのときの笑顔を、あたしは今でも忘れませんし、おばさんも頑張ってるんだから、あたしだって、頑張れる!!
そう思えた瞬間であり、あたしを含め同じ病室にいた患者さんたちみんなが、癒された瞬間でした。

その方にはもう、自前の歯は1本もありません。
放射せん治療を受けるため、歯をすべて、抜いてしまったんです。
なので、あのラーメンが、自分の歯で食べることができる、最後の食事だったんです。
親戚のおばさんで部分入れ歯の人がいます。そのおばさんが、「自分の歯があった頃に比べて、部分入れ歯だけでも、あまり美味しく感じないもんだよ」といってうたことを思い出しました。
治療終了後は、総入れ歯になるそうです。あたしなんて、差し歯になるだけでもショックだったのに、治療のためとはいえ、1本もなくなるって言うのは、どんなに辛いことか・・・。それでも、その方は、いつも笑顔でした。
あたしは、その笑顔が、大好きでした。あたしは、先に退院しましたが、
今でもその方の名前を覚えています。忘れません。

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